ハンディキャッパーも気軽に蕎麦屋に~第三回バリアレスそば打ち~

すでに三回目となりました、車いすを利用するハンディキャッパーにもそば打ちを体験して頂こうという「バリアレスSOBAUCHI」会。
毎回、そば打ちというアクティビティを通して、自分たちで楽しく作った食材をその場で調理し、気心の知れた仲間と一緒に食べる。
この一種独特な愉しみを健常者だけではなく、ハンディキャップを抱えるすべての人に味わって頂きたい!
こうした想い、楽常が長年蕎麦屋という堅物飲食業界で毎日働いて来た現場で思いを馳せていたことでした。
昭和蕎麦屋の体質
今も残る蕎麦屋の大半は、大手の外食産業が繁栄する以前は、それこそ外食の王道とも言われたメシ屋であり、その中で経営する蕎麦屋の大半は、店を開けていれさえいれば客は嫌ってほど来るような入れ食い商売の昭和時代全盛期に、一大を築いた個人経営者たちです。
蕎麦だけではなく、うどん、ラーメン、定食、ナポリタンやハンバーグなど、ありとあらゆる料理を用意していれば、お客さんは満足して帰って頂ける時代でした。
大手外食チェーン店が出てくるまでは。
なにもしなくてもお客さんが来る。そんな時代に外食店を経営した方たちは、いつしか、がんばってお蕎麦を伝えることができない人たちになっていたわけです。
そして今の時代に、ユーザーのニーズに合わせた店作りができず消えて行く蕎麦屋が多く、かろうじて残っている蕎麦屋の中にも、未だ三尺間の和式トイレが存在し、腰膝に厳しい座敷が店の多くを占め、1段2段とある入り口段差にたくさんの植木を置き放置した、完全に改築のタイミングを誤ってしまった惰性蕎麦屋も少なくありません。
あげく、都内にある繁盛蕎麦店の一部には、椅子の撤去が面倒だからと車椅子ハンディキャッパーの来店を拒むような所も実際にあり、そうした現状な業界を見据え、そんな非常識を打破する必要性があると感じて来たわけです。
楽常の目指すバリアレスSOBAUCHI
楽常のそば打ちショップでもある、西鶴間増田屋が店舗の作りとして、まだ全ての機能がバリアレスに設計されているとは言えません。
幅の広い車椅子でありますとトイレに入れなかったりと、床はフラットではあるがそもそもの間口が昭和サイズであり、今後訪れるであろう高齢化社会を見据えたモノに徐々にリノベートする必要性も感じています。
でも、追々という言葉は使うのは簡単でありますが、なんでもかんでも先立つものに翻弄されて先延ばしにするのは間違っています。
そう思ったら、今できる範囲でもスタートする。これが大事であり、それがミニマムな一歩だったとしても、進んでいる。ことが大事だと思っております。
ならば今、我々にできること、それが「SOBAUCHI」ではないかと企画し動き始めたのが、この「バリアレスSOBAUCHI」だったのです。
なに、大それたこと(野心)を考えているわけではございません。
まずは、蕎麦屋に気軽に訪れて頂きたい。ただ、それだけです。
すごい社会福祉を推進している と偉い方々からお褒めのお言葉を頂く時もございますが、我々楽常はそんな偉いと言われることをやっているという認識は一切無く、蕎麦屋で食せるだしの旨味だったり、醤油の奥深さだったり、江戸の頃から提供されるあんな蕎麦料理であったり、こんな蕎麦料理であったりを、どんな方々にも味わって頂きたいだけです。
バリアレスという便利な言葉ではありますが、それは、障害者の方々だけではなく、外国人であっても日本蕎麦屋におけるバリヤーがあるはずです。
そのバリアーを少しでも無くせるように努力することが、バリアレスな活動であると思っております。
そして、その中でも、蕎麦の醍醐味といえば、体験型アクティビティの「SOBAUCHI」であり、自分SOBAを蕎麦屋で、車いすであっても体験できるスペースを提供して行きたいと思って、早3回目となったわけです。
これは、我々がやりたい!と思うだけで叶うものではなく、車椅子を利用される方からの意見を100%受け入れ、その中で考えられる可能性を徹底的に考える。
考えて、考えて、考え尽くして形にして、実際に検証して頂く。
それでダメなら次はもっと良くする。
次の次はもっと良くする。
単に楽をさせる方向性ではなく、楽は楽でも、楽しいの楽。
楽しくSOBAUCHIするには、どうしたら良いか!?を考え尽くす。
これが楽常スタイルであります。
今回のバリアレスSOBAUCHIの様子は、[wp-svg-icons icon=”facebook-2″ wrap=”i”]公式Facebookにてアップしておりますので、ぜひともご覧頂ければ幸いでございます。
[wp-svg-icons icon=”instagram” wrap=”i”]Instagramなどにも画像アップしておりますので、最新情報などフォローよろしくお願い致します。
記事著:SOBAUCHI楽常企画部(ほんま)