さすがはクリエイター集団というご相談でした。
蕎麦屋を持って来てほしい!
そんなアイデアでご依頼を頂くなんて、蕎麦屋冥利に尽きるというモノです。
代官山のクリエイト企業「PARTY社」さまからのコラボレート企画で、社内のスタジオキッチンにて、蕎麦屋呑みというテーマのもと、蕎麦屋の肴や惣菜、天ぷらなどで40名のスタッフをねぎらう納会という主旨での開催です。
まさに楽常の求める理想像とも合致しております。
蕎麦屋をオフィスに持っていくという発想そのものが、こうしたイベントでご活用頂けるとは、まさにどんぴしゃであり、開催の運びとなったことは、感謝申し上げるしかありません。
普段からモノづくりに携わるスタッフに向けてですから、より一層の装飾のグレードも上げて、要所要所にLEDを使った電飾も施させて頂きました。
では蕎麦屋の惣菜などをご紹介させて頂きたいと思います。
まずはずららーっと並んでいる中でも一発で理解できるのが、ぬか漬け。
これは著者であるわたくしが10年の歳月をかけて作り上げたぬか床により漬けて来たモノです。
手前に見える赤い皿にのっているのが、板わさ。
本日はちょうど正月食材が出回って来たというタイミングでもあり、小田原のかまぼこを使用し、わさびには、北海道蝦夷山の山わさびをチョイスしました。
正直、この辛さは、鼻が崩壊するほどの刺激です。
その奥が、蕎麦屋の魂でもある「返し」と呼ばれる濃厚汁に一晩かけて漬け込んだ、クリームチーズです。
適度な辛さとクリームの濃厚さが相まって、ビールやワインのお供に最適です。
そして、蕎麦屋と言えば鴨。
鴨をじゃっと表面を焼入れ、その予熱によりじっくりと中に火入れを行う手法で、まさに固くならない一歩手前で寸止めした鴨ローストをそのままで召し上がって頂きます。
さらにキッチンフロントに目を移せば、蕎麦屋ならではの出汁をふんだんに使用した「蕎麦屋のおでん」。
練り物にもこだわったちょっと甘めのあったかおでんを、やぐらを立ててご自身でお好きな具を取って頂くビュッフェスタイルでご提供。
まさに赤ちょうちんがよく似合いますね。
その手前にあるのが、オリジナルブレンドのチップで燻した燻製です。
チーズ、チキン、味付け卵の三種を短時間で余りえぐみを付けず、熱入れを最小限に抑えた温燻を行いました。
さらに惣菜として、みんな大好き、肉じゃがとぶり大根をチョイス。
そしてこれは一番人気でもある、蕎麦屋のかえしを漬け込んだからあげ。
これがしつこくなくて奥深しい味わいでなんとも旨いんです。
こうしたお料理の数々をテーブル狭しを並べ、ほぼ9割が男性スタッフということもあり、みるみる無くなっていく様子をみていると圧巻です。
もちろん、楽常のメインディッシュでもある、天ぷらは目の前で揚げるスタイルにて、あつあつさっくさくをお召し上がり頂けます。
本日は、海老天、野菜、穴子、きす、イカとまさに天ぷらオンパレード。
ごま油と綿実油の絶妙なブレンド油で、胸焼けせずにさっぱりと頂ける天ぷらになっております。
まだまだありますよ~
本格だし巻き。
くー 泣けるほど嬉しいチョイスだと思いませんか!?
だし巻きだけは、作り置きはNG。
絶対にその場その場で作らないと、べちゃ~~~っとなって美味しくありませんからね。
でも、こればっかりはガッツリと一人が30分取られてしまう調理なので、予算に余裕があるクライアントさましか提供できないメニューとなりますので、ご了承ください。
さて、キッチンから横にずれれば、そこはバーテンコーナーとなります。
飲み放題プランと謳って、飲み物放っぽりばなし~ という業社さんが多い中、楽常では必ず一人、ないし二人はドリンクコーナーに置くスタイルを取っております。
自分で作って自分で飲むんでは、お家で飲んでても変わりありません。
そこは、しっかりお酒を熟知したスタッフを置くよう努力しておりますので、ご安心頂ければと思います。
提供する中で、お客様一人ひとりとコミュニケーションも楽しいものです。
それとここでひとつ、注釈なのですが、楽常では紙容器を推奨しております。
単にエコロジー的な要素で使うという理由だけではなく、化学製品がキライなんです。
和に似合わないんですね。
特にお客様のお肌に触れるモノ、お口に触れるモノ、なるべくなら使わない方向を取り入れております。
そうした活動を、ひじょうに賛同してくれる企業さまも多くおり、使い捨て紙容器を使用するか、樹脂性の洗える容器を使うか、その辺りの使用判断なども、しっかりとディスカッションして決めさせて頂きますので、お気軽にご相談頂ければと存じます。
さて、ご歓談も盛り上がって来ており、喉も潤って来たタイミングで、スタジオルームの方ではそば打ちデモンストレーションを行っております。
こちらも装飾には手を抜かず、電飾を使った装飾下により、講師によるそば打ちが繰り広げられております。
ここでお客様の飛び入り参加もあり、一層蕎麦への関心を惹くことができたのではないかと思っております。
水回し、延しと進むと、周囲もかなり真剣な眼差しで手技を見ている様子です。
このデモンストレーションですが、こうした納会などにはかなり有効で、雰囲気作りに一役買います。
蕎麦を食べながらそば打ちを見る、いや、そば打ちを見ながら蕎麦を食す。
こんな粋な夜は、そうそう一年のうちにあるものではありません。
切りの工程に入ると、さすがにエンターテイメント性がありますね。
そば打ち手技の架橋です。
こうしたご自身で打って貰ったお蕎麦を、皆様に提供する温かい鴨汁蕎麦の他に、冷たいもりそばとしてご提供することもできます。
なんだかんだと蕎麦料理を並べ立てても、やはり、〆の蕎麦は最高ですね。
飲んだ後の温かいお蕎麦は、五臓六腑に染み渡るのではないかと思っております。
蕎麦屋のフルメニューとは行かないまでも、出張で外部キッチンで出せる範囲内で、考え尽くしたお料理の数々を堪能して頂いたわけですが、一度やれば改善点が生まれ、改善があれば進化を遂げることができるSOBAケータリング。
今回お招き頂きましたPARTY社さまのみならず、ぜひとも、貴方の会社でも蕎麦屋を堪能して頂きたく思います。
最後になりましたが、こうした素晴らしい夜を演出する場を提供して頂きました、PARTY社さまに感謝を申し上げたいと思っております。
スタッフ一同、心よりありがとうございました。