2月も終わる頃合いで、蕎麦業界はにわかに活気づいてくるのが、この雛そば。
イベントとしての季節そばのご提供は、各店嗜好を凝らしての腕の見せどころではないでしょうか。
二八(にはち)と言えば、蕎麦業界には馴染み深いキーワードではありますが、商売としての二八(にっぱち)と言えば・・・切なくも売上が立たないネイティブイメージな言葉。
2月と8月は売上が落ち込むという法則から、こんな言葉が使われていますね。
一番寒い時期であり外食に出向くことが少ない時期と、一番暑くて食欲が落ちる時期という時期から、こうした飲食店の二八という法則が生まれました。
しかも、今年は平昌オリンピックの開催もあったことから、テレビにかじりつく年配者も多く、より蕎麦屋に出向くことが少なくなり厳しい2月となりました。
羽生結弦の滑走放映の際には、資料率が46%超えとの情報もありました。
おばさまたちに人気のフィギュア、おじさまたちに人気のカーリングなど、商売人にとっては大打撃ですね。
しかし、そのオリンピックも日本はしっかりとした史上初のメダル獲得数という快挙を成し遂げ、ようやく通常の生活スタイルに戻るかと思います。
そのタイミングの3月のイベントが、桃の節句、蕎麦業界としては、この雛そばを盛り上げて行きたいところかと思います。
では、その雛そばとはどんなものなのでしょうか?
雛そばの由来
現在では、蕎麦をそば店に出向いて食べる風潮となってしまいました。
昔は、絶対的な家庭料理であった蕎麦食だったということもあり、年間のイベントごとの際にはそばを食べる習慣があり、また、お客様が訪れた際の振る舞い食が、そばであった背景もあります。
そうした時代背景もあって、イベントごとに蕎麦を食べる習慣というものが排他されていったとも考えられますし、食の欧米化も相まって、この雛そばも、だんだんと家庭から姿を消していった季節食とも言えます。
そもそもは、江戸時代からつづくならわしであり、3月3日のひな祭りの際に人形などをひな壇に飾り、その家の女の子が女性らしく淡麗に育って欲しいと願うイベントでした。
もともとは、「ひいな遊び」という上流階級家系の女の子が、紙の人形を使っておままごとをしていたことから伝わります。
それが江戸時代に人形を作る技術が上がり、人形の表情をもあしらった雛人形として、一般家庭に出回ったことでこの時期に飾るしきたりになりました。
そして、人形と一緒に、ひし形の餅や、ももの花、白酒などを供えるようになりました。
蕎麦はソウルフードでもあったこの時代、その雛人形をしまい込む3月4日の夜(ひな納め)に、年越しそばと同様、生が長くすっと伸びるように。と蕎麦を食すようになったのが始まりとされています。
このならわしは、明治の始めごろぐらいまでは、家庭のイベントとして続いていたようです。
雛そばの特徴
もともとは雛段にお供えしたとの文献も残っているのですが、おそらくは夕飯に家族みんなで食べたわけですから、それほど豪華なそばでは無かったと考えられます。
しかし、年々時代とともにひな祭りは豪華絢爛なお祭りとして進化し、お供えする蕎麦も華やかになっていったことでしょう。
そのひとつが、変わりそばを加えた、二色そば、三色そば、五色そばと呼ばれるものでしょう。
三色そばに至っては、現在でも各地のご当地そばとして食すことが出来ます。
春のこの時期ならではの、ほんのり桃色をした桜切りを加え、色鮮やかにして節句のお供えとして、節句そばとして食していたことでしょう。
しかし、この三色そばは、三種の生そばを用意し、三種類で一人前をなさなければならず、コスト面でも手間の面でも、商売として負担の大きい蕎麦であり、街の大衆そば店では、普段提供するそばにアレンジを加えたものや、種物に嗜好を凝らしたところが多い。
各店、特徴のあるそばで、かつ、春らしい彩りを活かしたものも多いですね。
この時期、お近くのそば店でも限定メニューとして提供しているところも少なくないと思いますので、ぜひ、娘さんと一緒に、お孫さんと一緒に、雛そばを食してみてはいかがでしょうか。
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