楽常の和ケータリングでメニューのひとつとして提供しているのは、自家製の燻製です。
ケータリング前日に仕上げているのですが、燻しが食材に入り込むのに、必ず一晩冷蔵庫保管が必須となりますので、当日では美味しくないんですよね。
出来たら2日置くともっと浸透しますが、なにせ冷蔵庫の中が燻製臭くなるので、一日前がベスト。
燻製の三大食材は、チーズ・玉子・ナッツ です。
他、いろいろ試しましたが、その食材の鮮度やそのものの美味さで安定しないんですよね。
例えば、めざしやししゃも、鶏むねや牛たん、牛レバーなどなど、食材の鮮度や大きさ、厚み、肉温度などで燻製時間が変わってしまって、かなり難しいです。
まして、ケータリング提供となると安全性が一番ということもあり、魚と肉は避けています。
そもそも、個人的に温燻が一番美味しいと思っていて、魚や肉は熱燻が基本となることから、楽常の燻製とは違うんですよね。
低温調理をしてから温燻という方法も無くはないんですが、2度も熱に通すと、どうしても水分が出て来ちゃうので、魚や肉は熱燻がベストかと思っています。
温燻となれば、スモーカーは自由度が増します。
そこで、今回、オリジナルのスモークボックスを木製で作ってみました。
どうして、こんな細長いんだー とお思いでしょうが、これはチーズを燻製するためのボックスと言ってもイイです。
下に電熱コンロを置き、一番上の段でチーズを燻すんです。
すると熱が伝わりづらく、チーズの色付け温度の70℃を超えることがありません。
この70℃を超えてしまうと、チーズが溶け出し、成分が変わっちゃうだけじゃなく、ぷっくら膨らみ形も崩れ、さらに網に食い込んでしまうわけです。
フライパンなどで燻製する熱燻では、チーズは溶け美味しく仕上げることは出来ませんし、冷燻では、やはり香りが落ち、本来のスモークの奥深い味がしないんですよね。
ベストなスモーカーは、細長ければ長いほど、うまく仕上げることができます。
このオリジナルスモーカーは、全長で1400mmとしました。
あんまりデカくしても置き場に困りますしね。
このスモーカーでのベストな燻し時間は、30分です。
30分を1セットとして、チーズなら3セット、玉子なら2セットって感じです。
今回、テストということで普通のL玉子でもやってみました。
通常はうずらを使いますが、普通の玉子ではどうかとやってみました。
30分電熱をかけると、ちょうどこんな感じ。
真ん中が白くすすけているので、これではチップの量が少なすぎました。
2回目は少しチップ量を多くしたら、ベストな焼け具合です。
白くなるぐらい焼いてしまうとエグみがだいぶ出るんですよね。
このチップですが、いろいろと試したんですが、ヒッコリーとサクラ、あとはピートを足すとイイ感じに仕上がりますね。
サクラのみだと、どーも水分と結合しやすいのか酸味が出やすいということと、匂いがキツ過ぎますね。
ピートも入れることで、しっかり色付けというか、色に奥深さがプラスされますね。
上は3回目のスモーク後です。
さすがにチーズはしっかり色が入っていますね。
ちょっとぷっくらしちゃったのは、3回目の電熱の出力を間違えてしまったためです。
玉子は、やっぱり熱を入れることで自重により網目が入っちゃうんですよね。
これはちょっと美しくないので、やはりうずらがベストかなー とは思います。
あ、それとチーズですが、これもいろいろと試したのですが、雪印の6Pチーズがベストですね。
これ以上に美味しいチーズは皆無です。
誰の味覚にも合いますし、外国人の方にもお出しするのですが、いつも、どこのメーカーのチーズか聞かれるほどです。
あっさりしていて、コクが無いわけでもなく、後味が残らない、ビールにも日本酒にもワインにも合う。
スーパーのチーズコーナー、多種多様に取り扱いが増え、いろいろと商品があるとは思いますが、これ一択でイイと思っています。
ケータリングの現場でしっかり好評を得られるのには、やはり理由があるんですよね。
さて、今回、ちょっと裏方でもある開発現場を見て頂きました。
オリジナルメニューも多彩な楽常の和ケータリング、ぜひ、企業さまで企画に乗せて頂ければ幸いでございます。
そば打ち体験や、寿司握り体験、わんこ蕎麦ゲームなど、社内で楽しめる企画も豊富にご用意しております。
ぜひ、詳しいこと、楽常フロントにご相談頂ければと存じます。