少し動くと汗ばむ季節になってまいりました。
5月は大型連休もあり行楽シーズンなとどとも言われておりますが、少し地方に足を伸ばすと、キンと冷たい川などが流れ、虫もそれほどでもなく、本当にいい季節ですね。
この季節は、新茶の旬でもあります。
一番茶と言われる前年の秋から養分を十分溜め込んだうまみ成分の強い、最も品質の良いお茶が摘まれる季節でもあります。
だいたい4月下旬~5月初旬と言われている、一番茶の旬。
新茶の香り高い甘いお茶を飲むと、ああ~ 夏もそこまで来てるなー なんて思ったりもします。
そして、そんなお茶の効用について、お茶処の静岡県民のガン発生率が特に低いことは有名な話し。
つまり、三食の食事後に必ずと言っていいほど嗜む緑茶が習慣づいている静岡の方は、緑茶に含まれるいろいろな抗酸化成分の恩恵を受けていると考えて間違いないことでしょう。
がんの抑制効果 お茶
特に効果が出ているのが、胃がんです。
全国の死亡率を100とした場合、わずか30%発生率という驚異のデータがあります。
そんなお茶の成分にはどんなものが含まれているのでしょうか。
ビタミンACEという成分とカテキンが作用しています。
まず、有名なのは、カテキンですね。
カテキンとは、茶ポリフェノールの主成分となります。
効用はあげたらキリが無いですが、
- ガン予防
- 抗菌作用
- 口臭予防
- 抗ウィルス
- 腸内細菌の改善
- 糖尿、肥満の予防
- 抗アレルギー
- 高血圧、脳卒中の抑制
などなど、カテキンの抗酸化成分が作用している恩恵なのです。
そもそも、病気の8割が体内の活性酸素の影響が原因とされています。
体内で発生する活性酸素は、細胞膜や脂肪酸などと結合し、細胞を酸化させ、つまり老化現象の元にもなり、DNAの破壊へと影響を広げます。
このDNAの破壊が、つまりガン細胞となる要因とされています。
この活性酸素を防ぐ役割をお茶の成分でもある、カテキンがビタミンEの10倍とも言われる抗酸化作用で担うわけです。
身近にあるものではありますが、昔の人が食前、食後に飲んで来たのは、ただ美味いというだけでは無かったのですね。
ちゃんと薬としての役割を把握した上で、口に入れるものを選定し習慣付けていたというところが、現代人とは明確に違うところではないでしょうか。
そして、この時期のお茶を使った「茶そば」という変わりそばが存在します。
変わりそば!?
変わりそばとは、一般的に蕎麦を打つ粉の段階で、いろいろな旬の食材を刻んだり粉砕し、練り状、もしくは粉にして、そば粉に混ぜ込み打ち、香りや風味を楽しむ蕎麦の呼称です。
そして、この変わり蕎麦の代表的な存在が、前述の栄養価を含むお茶と蕎麦のコラボレーション、茶そばなわけです。
茶そばの栄養価は未知数
もともと健康に良い自然食品として注目されて来た日本蕎麦ですが、そんなスーパー抗酸化作用を持ったお茶の粉と一緒になったら、どんなスーパーフードになってしまうのでしょうか!?
まさに、現代習慣病に立ち向かう、ナチュラル・オーガニックフード、それが、茶そばです。
茶葉を粉砕し、そば粉を混ぜ込み、その独特な深い緑色に染める自然の着色で、茹で上がると深みのある濃緑色となり、お茶の風味とお蕎麦ののどごしを両方楽しめるのが最大の売りです。
茶そばになってプラスされる効用などは、未知数です。
そばの栄養素の中には、必須アミノ酸というものが含まれます。
この栄養素は、人間の体内では作ることはできない、食品から摂取する必要性があるもので、リジンやスタミナの元となるアルギニンという要素を含むものである。
同じ一杯を比較した場合、タンパク質は精米よりもそばが高いのが伺えるほど、豊富で良質な植物性タンパク質を含む食材なのです。
また、お茶の成分でも豊富に含まれるビタミンも、蕎麦には豊富にあるのを忘れてはいけません。
特にB1とB2が効果的に摂取できるのが蕎麦であり、疲労回復や胃腸促進、精神的なイライラを抑えてくれる成分など、お通じを正常に保つ食物繊維を含んでいることから、人間の持つ免疫力UPに欠かせない食材とも言えます。
例えば、海外旅行などに行った帰りなど、空港のレストランでお蕎麦が食べたくなるようなイメージがありますが、あながち日本を懐かしむというだけの理由ではなく、日本人特有の体がそうした日本古来の栄養価を欲していると考えると、そんな体のSOSなわけで、ごくごく自然なことなのかも知れませんね。
また、蕎麦独特の栄養素である、ルチンという成分があります。
これは主食として摂取できるのは蕎麦だけであり、ビタミンPという聞き慣れない栄養素が含まれています。
このビタミンPは、毛細血管などに働きかけ、血管自体の壁に弾力を与え強くすることができます。
つまり、アンチエイジング効果が望め、また、中に流れる血液をサラサラにする効果があり、これまで詰まり詰まり押し出していた血液の流れが良くなることで血圧を正常に戻す効果も認められています。
ただし、このルチンは水溶性であり水に溶けやすい性質があるので、最も効果的に摂取する方法が、蕎麦湯を飲むということです。
蕎麦を茹でる過程で、茹で汁の方に流れ出てしまうということになりますので、最後の〆に蕎麦湯と一緒に薬味であるネギを食べることで、一層栄養を体に摂り込むことができるわけですね。
こうした蕎麦が元々持つ栄養素と、さらにお茶の抗酸化作用がコラボレーションする、茶そばの効用は、我々体にもたらす恩恵は計り知れないと思いませんか?
茶そばを茹でた蕎麦湯は、どれほどに良い作用をもたらすのか、まったくの未知数ですね。
どこか海外の隠れたスーパーフードも希少性があり話題にしやすいアイテムではありますが、日本人なら今一度、古来日本人が日本人のために食べて来たオールドフードに目を向けてみると、すばらしいスーパーフードが、しかも身近に存在することがわかってきます。
今や外食チェーンでも簡単に食すことのできる茶そばですが、この時期のビタミンを豊富に含んだ旬のお茶を使ったそば打ちなんてのも、おつでいいのではないでしょうか。
楽常のそば打ちレッスンは、こうした旬の食材を使った変わり蕎麦打ちも、積極的に行っております。
どうぞ、ご活用頂ければ幸いでございます。