そば打ち道具としてこま板は 必須ではない
蕎麦を切る際に真っ直ぐに均一に切るガイドの役割をするこま板。
正直、地方で毎日のように蕎麦を食すような家庭では、蕎麦の切り幅なんて、食べることになんら関係なく、生地を隠してわざわざ見えにくくさせるこま板なんてモノは使わない。
手だ。
まな板も専用のモノなど使わず、麺台と共通使いで、傷ひとつ付けずに切り終える。
ある意味、最低限の道具で蕎麦を打つ名人とも言える。
でも、我々にはそば打ちという調理をさせる職務上、美しさや安全性、利便性は、特に我々不特定多数に体験させる立場としては、大切なことになります。
そのひとつのアイテムがこま板であります。
蕎麦屋さんが使うのは極限までスピーディーに短時間で美しく切らなければならないため。
ま、もちろん、そば打ちを趣味として、もくもくと一人手技を高めている方もおられると思いますが、そうした方々にも、最終目的が名人の模倣ということであれば、このこま板という道具は欠かせないアイテムなんだと思います。
必須の必ず無くてはならない道具では無い ということを知っておいて頂ければと思います。
透明アクリル板で作るメリット
そもそもこま板という道具は、木で出来ているモノが一般的だ。
樫や桜など、硬木を使えば、たとえ包丁の刃があたっても傷つきにくく長年使うことができる。
また、こま板の大事な役割は、前述したとおりガイドだ。
つまり、こま板自体が真っ直ぐ、かつ、表面がツルっとしていないと刃をあてる際、生地を滑らす際にスピーディーに作業ができないわけだ。
アクリルという樹脂素材を使うことで、ガイドとしての機能を果たすことに関して、ほぼ完璧に近い。
むしろ木のように水や湿気によって狂ったりすることはなく、真っ直ぐを長年保つことができるだろう。
まして、アクリル板という透明要素がプラスされることで、畳んだ麺体の様子が丸見えになる。
これは、そば打ち体験をしている我々にとってかなりのメリットがある。
楽常のそば打ち体験は数人でシェア打ちをして頂く場合があります。
切りの工程にも、数人で体験して頂くことも多くあるのですが、この時に、自分がどれぐらい切れば良いのか、あとどれぐらい残っているのか、木で作られたこま板ではいちいちどかさないと確認ができないわけです。
これが不便で仕方なかったわけです。
カッコでもなければコストでもなく、切りを体験する方々が便利になるのではないか!?と考えたのが、この透明アクリル板を使ったこま板が生まれたきっかけなのである。
メリットはそれだけではない。
切り進めると、どうしても斜めに曲がってしまう方がおらえると思います。
その矯正用にもひじょうに有効かと思います。
水に強く、真っ直ぐが持続、残りが見え、状態が把握しやすい。とメリットだらけに見えるが、しっかりと欠点もあります。
落としたら割れます。
同じ体積だとした、木製より重たくなりますので、落とした時も衝撃が違いますから、取り扱いは少し気を使うことになるでしょう。
メリットもデメリットも把握できたところで、いよいよ作り始めてみようと思うのですが、生のアクリル板を買って来て自分で寸法をお越しカットしたり加工したりするのは、正直ハードルが高い。
寸法どおり切れたとしても、なかなか切り口の表面処理などが難しいのだ。
変な切り口だと指をひっかけて怪我をしたりするので、絶対にオススメしない。
そこで、このアクリル板をネット上でカンタンにオンラインで加工し、購入できるショップがあるのだ。
アクリル板を加工して買えるショップ
こうしたネットショップをうまく使い、こま板として寸法を自分で決めて、ショップの加工画面に数値を入力して行けば、見積もりから注文からカンタンにできる。
アクリルショップ「はざいや」である。
アクリル板だけではなく、もちろんポリカーボネート樹脂や塩ビ板、丸棒や角棒などもあるので、こま板の材料としては最適ではないかと思い、今回のこま板制作をこちらで加工して注文してみたわけです。
そこで、この加工画面から注文までの流れを順を追って解説してみようと思う。
注文までのステップ
購入したアクリル板と角棒を接着させる
数日して加工注文していたアクリル板とアクリル角棒が届いた。
しっかりとダンボール梱包した状態なので傷はつくことはないのだが、樹脂ゆえの静電気で切り屑などはわりと付いてしまっている。
これからアクリル板と角棒を接着させるのだが、養生を取った瞬間からホコリというホコリが付きまくるので、とにかくキレイにした台の上、または梱包したダンボールの表面を掃除機で吸ってから作業に入るようにしよう。
なにせ透明パーツなんで、ゴミが接着面に入ってしまったら目立ちまくります。
これでアクリル板とアクリル角棒を使用したこま板が完成した。
メリット・デメリットを理解した上で制作したのだが、こうして体験教室で使用してみると、機能のメリットだけでなく、なんだかカッコ良さも感じられないだろうか。
木の道具ばかりの中のそば打ちというアクティビティだが、アクリルが映りこむだけで、うまく現代感という雰囲気を出すことができてると思う。
なにより、道具から自分で作るという楽しみ、それを使いこなす楽しみは、なにものにも変えられないと思う。