前回の記事『延し台の選び方』で、延し台や麺台に適した素材や材料の選定をご紹介しましたが、では実際に探した材料を加工してみようというのが、今回のDIY講座となります。
道具を使ってそば打ちを楽しむだけではなく、その道具自体も自分で作ってしまえば、より愉しみが広がるのではないかと楽常は考えています。
んなもん!めんどっちーよ!という方も多くおられると思いますが、一度道具を作るための道具の入手法や使い方をマスターするだけで、かなりDIYの幅も広がり、これからもご紹介する他のそば打ち道具を作る際にも、そのスキルは役立つと思います。
では、まず、ホームセンターでの材料の購入から順を追ってレクチャーしてみましょう。
ホームセンターで材料探し
まずは、近隣のホームセンターの建築部材コーナーで材料探し。
前回の記事で延し台に最適な材料『シナランバーコアボード18mm』とご紹介したが、もちろん、自分の嗜好で選んで頂いて構わない。
集成材はともかくとして、無垢材などで、多少手間がかかったとしても良いものがあれば、それはそれに越したことはない。
この記事では、あくまで楽常のオススメである、シナランバーを探してみたいと思う。
ホームセンターだと、ベニヤコーナーに置いてあることが多いが、少し高価な素材でもあるということもあり、平置きしてあることも多い。
今回お邪魔したシマホでは、ずらずらと立てて置いてあった。
この中で18mmサイズのものを探し、3×6(さぶろく)を一枚購入し、今回は、半分を家の棚板に使い、あとの残りを、家庭サイズの750mm×750mmの正方形で作ってみたいと思っている。
ここで気づくと思いますが、必ず、作る大きさを事前に決めてから材料を買いに行くのが近道。
やみくもにさぶろくサイズを買ったとしても、余った材料の使いみちが無いと、ほっとんどの余り材料はゴミと化す傾向にある。
では、なぜ750mm角に決めたか?と言うと、リビングテーブルやこたつ天板など、ほとんどがこのサイズでぴったりとなる大きさであり、かつ、約4人前の400gの生そばを打つ場合、この大きさがめいっぱい打て切るサイズとなる。
これ以上の生そばを打つ場合は、750mm角でははみ出してしまう。
つまり、麺棒にも同じことが言える。
板材料とは別に、ちょっと買い足したいものがある。
それは、木口テープと言われる、装飾材料である。
後ほど製作過程で詳しく解説するが、¥1000ぐらいするものなので、正直安いものではない。
しかし、出来栄えを大きく左右するものでもあるので、材料費の一部として追加しておきたいアイテムである。
道具を揃える
さて、材料を揃えたら、今回必要な道具を紹介しよう。
いきなり、電動工具の嵐ではあるが、楽常の基本スタイルは、常に楽しくがモットーであり、そば打ちももちろんだが、この道具作りに関しても楽しく作りたいと思っている。
例えば材料を切るだけでも、ギコギコと手ノコでがんばるのも悪くないが、楽しくないのではないかと思っている。
慣れた人でも、板モノを縦に横に切るのは、力とコツが必要になる。
そこは電動の力を借りて、スマートに楽しく製作をするのがベストであり、何もたまに使う工具を買うことはなく、レンタル工具という便利なシステムを使えばイイのである。
こちらのホームセンターではモノによるが、1泊2日で¥300~借りれるシステムだ。
また、そもそも切ったりするのに面白みを感じない方は、カットサービスなどを利用するのも◯だ。
そして、今回かっこいい延し台を作る上で必要になる工具を紹介しよう。
道具一式
と、まあ、ただ木板を切るだけなのでこんなもんで大丈夫です。
ただし、板をまっすぐに直角に切るという作業は、言うほどたやくすはないので、順を追ってレクチャーしてみよう。
製作開始
まずは、このランバーコアを切る時に気をつけたいのは、中の修正材には木材を貼り合わせるための糊が使われています。
その糊ごとぶった切ると切り埃が発生し、これを吸ってしまうと、くしゃみ連発になる場合がある。
そこで、丸ノコやペーパーをあてる場合は、必ずマスク着用が望ましい。
これも人によるが、吸わないに越したことはない。
正方形にカットする
角丸加工をしてみよう
木口テープで装飾
延し台が完成!
ここまで、角丸加工もペーパーがけも完了したところで完成である。
できましたね~ 見栄えも悪くないのではないでしょうか。
もちろん最後に掃除機をかけ、埃をキレイに落とし、さらに濡れ雑巾でさっと拭き取って、出来たら厨房用の除菌スプレーなどをして陰干ししたら、もう使用することができる。
ただし、保管にはかなり気をつかう。
白木という上塗り仕上げをやっていないので、水気を含みやすく、さらに乾きが悪ければすぐにカビが発生してしまいます。
とにかく通気の良いところに垂直に近い形で立てて保管をするのが良い。
押入れなどは避け、リビングの端っこなど、常に空気が動く場所に保管するのがベストだ。
余談ではあるが、楽常の延し台の場合はより打ちやすいような工夫を施している。
出張そば打ち時にも運びやすいように、手持ちの穴を開けてあったり、表裏を分けて、裏部分に滑り止めを施したりしている。
この辺りは、ご自分の使いやすいように加工できるってのも、また、工具を使って自分で作る醍醐味ではないだろうか。
なんでもかんでも買い揃えるだけではなく、こうして道具作りから手間をかけてやれば、その後のそば打ちもまた、人知れない喜びが満ちてくる趣味になると思います。
ぜひ、一度挑戦してみてはいかがでしょうか!?