埼玉県北西部に位置する秩父の山々からなる秩父連山のたもとは盆地になっており、小石が多く、痩せた土地のため、古くからそばの栽培に適した土地として知られてきました。また、盆地、山地である事から、一日の寒暖の差や夏期と冬期の気温差が大きく（夏が暑く、冬寒い）、埼玉県北部、南部とは異なる気候を持っています。この秩父地方ならではの自然環境と埼玉県と東京都を流れる荒川上流部の澄んだ源流を利用して栽培された秩父のそばは、腰が強く、風味豊かな、美味しいそばとなります。
食べ方や盛り方、調理法に特徴があるわけではないが、大自然の美味しい空気と共にたぐるそばは、風味豊かなそばの味わいから、多くの観光客やツーリング客を虜にしている。
秩父と言えばくるみそばという名物が有名であるが、女性に人気の甘ったるいくるみ汁とは逆に、もり汁のキリっとした濃い目の味は江戸時代から続く濃口しょうゆの伝承とも言え、関東のそばらしさを感じられる江戸そばに通じる。